オリジナルの良さ

日本のように多種多様な釣りが存在し、それぞれのジャンルでこれほどまでに細分化されたタックルが揃った国は世界中どこにもありません。四季があって魚種も豊富な上に、モノづくりに関しては突出したこだわりをもつ民族性も相まって、このような釣具大国になったのでしょう。

しかし、時代時代の平均的ニーズを十分に満たすだけの商品開発力があったが故に、個人の好みで道具を作るというオリジナルの領域は極めて小さなものでした。アメリカなどでは個人が自分のためにロッドをつくるという感覚が珍しくなく、それが証拠にブランクだけを普通に売っているメーカーが非常にたくさんあります。日本ではオリジナルといえば、美術品的に高額なへら竿など、敷居の高いイメージが根づいていました。

他人が持たない(持てない)との優越感はオリジナルを手にするひとつの大きな動機ですが、もっともっと手軽で身近なメリットが案外見過ごされているのです。わかりやすい例を挙げるなら、まずは手の大きさに対するロッドのフィッティングです。日本人の成人男性は身長160~180センチの中におさまる人が大多数です。しかしこの中で手が一番大きな人と小さな人を比べたら、相当な差があるに違いありません。既製品では平均的なサイズのところを押さえてあるのでしょうが、そこには「もう少し細い方が(or太い方が)・・・」というニーズが必ず存在するはずです。ましてや今は女性のアングラーも増えているから尚更です。

グリップの太さにとどまらず、長さや形状も含めたフィット感は本来求められて当然のファクターのはず。この部分の選択を「贅沢」ではなく「必然」と捉えませんか?というのがマタギの提案なのです。

手の大きさの違い

手の大きさが違えば・・・。要はこういうことですね。

もうひとつオリジナルならではの特長を挙げるなら色使いです。多くのルアーロッドはブランクの質感そのものを生かしたブラックやグレーといった色がほとんどで、ガイドを固定するスレッド(巻き糸)もそれに合わせた無難な配色が中心。まずは実釣面の性能ありきとはいえ、携帯電話や身近な家電品もほとんど色が選べる時代に、ちょっと味気ないところです。

マタギを開業した当初から色に対するニーズは予測(期待)していましたが、お客様からの要望は想像以上に多くありました。それがブランク塗装やリールシート塗装の定番化、多色スレッドの導入、金属パーツの多色展開へとつながったのです。思い通りの色を使うこと自体が大そうなイメージがあるかもしれませんが、簡単なものなら既製ロッドのスレッドを別の色に巻きかえるだけで全然違う風合いに生まれ変わります。

着せ替え携帯くらいの軽い気持ちでいかがでしょうか。

ブラック×イエローの配色例

例えばブラック×イエローは好みの分かれる配色。量産品としては作りにくいものだけに、オリジナルの出番です。

オリジナルの原点はとにかくお客様のご自身の満足度につきます。皆様それぞれのご希望ができるだけ叶えられるよう、マタギでお手伝いしたいと考えます。たとえ世間の常識から大きく逸れたものであっても、マタギのパーツと工作力でできるものなら承ります。

また思い出のこもった数十年前のロッドのリフォームなども臆せずご相談ください。すべてはお客様の満足のために・・。

オリジナルロッド

日々いろんなご注文をお預かりしています。